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南米アンデスの登山とトレッキング(1) ボリビア ワイナポトシ峰(6094m)
2018/ 02/ 24南米

南米大陸の西海岸に沿って南北7500㎞わたって貫くアンデス山脈。その中央部のペルーとボリビアの高度3500mから4500mあたりに広大で平坦な高原(アルティプラーノ)が広がっている。そこにはチチカカ湖やウユニ湖などの湖があり、ボリビアの首都ラパスやインカ帝国の首都だったクスコなどの都市が集中しインカ時代の遺跡が点在している。
2/20に米国経由で、ペルーのリマに到着。
2/21はリマからクスコ(3600m)に飛んで、クスコ観光。
2/22はマチュピチュを観光。
2/23クスコから空路、ボリビアのラパスに到着。そのまま、チャクラタヤのスキー場跡(5300m)まで、車で高度順応に上がってきました。南米は5000m越えまで車で上がれるので高度順応の効率がいいのですが、急激に高度をあげるため、高度の影響も出やすいところです。
実際、チャクラタヤでの順応後、夕方、ウユニに飛ぶため、ラパスの空港に戻って、ビールを一杯飲んだだけですが、酔いが顔に出ていたのか、セキュリティ係から、戻って、コーヒーを飲んでから出直せと、搭乗を拒否され、しばらく酔いをさましてから、やっとセキュリティを通過するという醜態を演じてしまいました。数多く飛行機には乗っていますが、こんなことは初めてのことでした。
ラパスはすり鉢状の都市で、金持ちは空気の濃いすり鉢の底に住み、貧乏人は空気の薄い4000mの空港近くに暮らしているのです。その4000mの空港でビールをいただいたもので、色白の顔に出てしまったようです。
2/23、夜のフライト1時間弱でウユニに到着し、さらに車1時間弱で、ウユニ塩湖の畔に建つ、塩のブロックできたホテルに入りました。
ここ、ウユニには2010年、大阪労山の皆さん11人でワイナポトシ登山に来た際にも来たのですが、その時にはウユニへは、陸路しかなく、途中から未舗装の道を10時間かけてやってきて、ウユニ塩湖観光後、再び10時間かけてラパスに戻ったのでした。
2/24、ウユニ塩湖観光。ウユニ塩湖は、標高3700mにある南北約100㎞、東西約250㎞の塩の台地。「世界で最も平らな場所」でもあります。そのため雨季のこの時期には雨により冠水すると、その水が波も立たないほど薄く広がるため、水が蒸発するまでのわずかな期間に「天空の鏡」と形容される巨大な鏡が出現するのです。 観光後、同日中に空路でラパスに戻りました。
2/25、ラパスにて登山準備。登山靴、アイゼン、ピッケル、ヘルメット、ハーネス、寝袋…すべての登山用品をレンタルすることができます。
2/26、ラパスから車で出発し、途中で食料品の買い出しなどをしながら、3時間ほどでベースキャンプの山小屋に到着。前回はダム湖の畔の山小屋でしたが、今回は少し手前の小高い所に、数軒、山小屋が増えていました。ワイナボトシ登山を扱う会社がそれぞれベースキャンプを持っていて、そこで寝て、食事をします。食事はボリビア人の太ったおばちゃんが作ってくれます。
2/27、ハイキャンプに上がります。炊事のおばちゃんも、スカートの重ね履きのボリビア独特のスタイルで、ハイキャンプ(5300m)まで上がってきます。食事の材料や炊事道具は民芸風の風呂敷に包んで、それを背負って運んでくれました。
ハイキャンプになる山小屋は会社ごとに、2〜3棟持っているようで、前にはこんなにたくさんの建物はありませんでした。また山小屋の直下にちょっとした岩場がありましたが記憶にはありません。
早い夕食を食べ、18時には就寝。23時30分起床で、準備と軽い朝食を済ませ、2/28、0時20分には山小屋をスタートしました。
15分ほど岩の上を歩くと、雪の急傾斜が出てきて、アイゼンを付け、ロープを結びます。
ゆっくり登りますが、Iさんの調子が良くなく、休憩の回数も多くなります。結局、5700m付近で断念することになり、林が一緒にサポートしながら下りました。
ローカルガイドと一緒に登っていたTさんは、5800m付近の急雪壁も順調に登りましたが、5900m付近で、6時過ぎから東の空がオレンジ色に染まり、御来光の写真を撮っている頃には、頂上から、先行していた別のバーティが降りてきたので、そこを最高地点として一緒に下山してきたそうです。
というわけで、ワイナボトシは登れませんでしたが、12時には全員無事に、ベースキャンプに到着、ラパスに向けて出発。空港近くから、「テレフェリコ」というロープウェイで、ほんの10分ほどでラバスのダウンタウン(市街地)に到着しました。
このテレフェリコ、前回来た2014年の完成直後に乗りましたが、ラパスの特異な地形の上部(4000m)の住宅地と下部(3600m)の市街地を結ぶ画期的な公共交通機関といえます。現在5路線が開通していますが、ゆくゆくは11路線が開通予定。スキー場や山岳地域のリフトやロープウェイがお手の物のオーストリアの会社が手がけたそうです。

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